旧日軍台南衛戍病院(原日軍台南衛戍病院)

明治30年(1897年)、日本陸軍台南衛戍病院が赤崁楼に設立されました。大正6年(1917年)、日本軍第三期永久兵営計画により、大規模な建物が日本軍歩兵第二連隊(現在の成功大学光復キャンパス)の北側に再建され、整備された大病院となりました。昭和12年(1937年)、台南陸軍病院に改称されました。第二次世界大戦後の1948年、国民政府軍によって接収されると陸軍訓練司令部軍医院が設立され、 9 月半ばから患者の受け入れを開始しました。翌年、台湾省陸軍司令部軍医院と改称され、    1950  年)  4  月には「陸軍総司令部軍医院」となり、  10 月には「陸軍軍官学校軍医院」に再編されました。1952年3月、「陸軍独立医院」、5月には「陸軍医院」と改称され、陸軍本部直属となりました。1954年、「陸軍医院」から「連勤第四総医院」に格上げされ、連勤総司令部直属となりました。1955年に、)陸軍供応司令部軍事医療部門に改編され、「陸軍第四総医院」と改称されました。1960年、陸軍本部によって各病院の番号が統一されたことにより、「陸軍第804総医院」と改称され、通称804医院と呼ばれていました。2000年)、病院は国立成功大学に引き渡され、2001年、国立成功大学力行キャンパス西側用地の(旧804軍医院)キャンパス計画が完了しました。

日本陸軍台南衛戍病院は複数の建物が南北に並び、廊下でつながっています。建物の本体部分はレンガ造りで、さまざまな形のアーチ状の廊下があり、台湾南部の気候に合わせた上げ床構造、屋根の小さな通気塔が大きな特徴となっています。旧日本軍台南衛戍病院の敷地内には建物の屋内空間のほかに、壁、防空壕、花壇、池、木造のあずまやといった観光設備があります。戦後、804総医院は1972年)に病院エリアの美化が行われ、病院西北側の池に石を積み上げた築山が作られました。また、中華民国の国章と「毋忘在莒(莒に在ることを忘るべからず)」が刻まれた石もあり、旧日本軍台南衛戍病院が戦後、軍事病院として使用されてきたことを示す証となっています。

主体となる建物の旧講堂のほか、残りの6棟の建物すべてに通気塔が設けられ、高基礎となっています。構造は主に人造石洗い出し仕上げで、壁はオランダ式の化粧レンガとなっています。屋根瓦のタイプはコンクリート瓦と黒いぶし瓦に大別され、アスベスト平板瓦と金属板が少数となっています。防水層は木瓦構造で、台湾ヒノキが建材に使用されています。建物の屋根には現在もドーマー窓と通気塔が残っています。床板構造は鉄筋コンクリートで、室内の床材には主に人造石が斜め格子状に使用されています。窓のスタイルと開け方は換気のしやすい上げ下げ窓で、大きな窓が数多く配置されています。ポーチ部分はベッドの出し入れがしやすいよう、広く設計されています。旧講堂と他の建物との最大の違いは、壁の木板漆喰と下見板張りの構造にあります。屋根にはドーマー窓や通気塔がなく、室内の床板には長い木板が使用され、建物全体がほぼ木造構造となっています。

旧日本陸軍台南衛戍病院は日本統治時代に日本軍によって台湾に設立された軍病院です。初期は赤崁楼にありましたが、後に軍隊施設が東北市街地に次々に完成したことから、大正6年(1917年)、日本軍歩兵第二連隊(現在の成功大学光復キャンパス)の北側に大規模な病院が再建されました。戦後、病院は国軍に移譲され、軍民向けの804医院となりました。当時の中楼、三分子住民の医療における重要な病院であり、その建築的価値の観点からも全国で唯一完全な形を留めた軍事医院建築群です。近年、804医院の移転により、病院の建物は成功大学のキャンパスに組み入れられ、改修後は学部で使用されています。

旧日本陸軍台南衛戍病院と台湾地区の他の衛戍病院、日本の岐阜衛戍病院の建物の配置は、当時の衛戍病院建築の典型的な「個形式配置」となっています。古跡には旧管理室、2棟の旧病室、旧管理室別館、旧講堂、旧伝染病室、旧実験室、旧消毒室などを含む全部で7つの建物があります。これらの建物構成は日本統治時代の軍事病院の運営状態を表したもので、当時の病院の作業動線、設計ロジックが反映されています。建物のほかに、旧日本陸軍台南衛戍病院エリアには保存に値する多くの老木が今なお残っています。

旧日本陸軍台南衛戍病院の平面配置は「分館式」で、それぞれの役割に応じて建物を分け、渡り廊下でつなぐという病院レイアウトが採用され、台湾の日本統治時代における病院建築の主な配置構成でした。その構造特性としては、7棟の建物はすべてレンガ作りの耐力壁と山形の木造トラス屋根となっており、台湾第3期永久兵営計画の建築特徴を表しています。

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