安平区

安平小砲台

1840年(清の道光20年)のアヘン戦争時に、当時台湾の清軍がイギリス軍からの攻撃を防ぐ海防施設として建てました。砲台は主体と護城石堤から成り、護城石堤は南北に延びています。砲台主体は水池公園のそばにあり、花崗石を積み上げて造られています。北側の石堤は珊瑚石、三和土でできています。砲門が残されており、水を防ぐ柵も設置されていて、直轄市定古跡になっています。現在台湾で保存されているもっとも完全な清代早期の中国式砲台で、億載金城の西洋式の近代的な砲台とは異なります。
この場所はかつて安平海岸の重要な海防施設でしたが、後に台江內海に土砂が堆積したことで、その機能を失いました。堂々たる砲台は、この場所で時代の移り変わりを見守ってきました。旅行者にとっても、当時に思いを馳せるもってこいの場所でしょう。

延平街の古井戸

延平街の古井戸(延平街古井)は安平ゼーランディア城の東南、大員市街の石板街(現在の延平街)にあります。当時、安平一帯の大切な淡水の水源でした。井戸水は豊かで、甘みのあるおいしい水だったと言われています。この井戸水で育てたもやしは自然な甘みがあり、大勢の人が評判を聞いて買いに来ました。古井戸付近は、かつて「豆菜寮」(もやし村)と呼ばれていたため、井戸も「豆菜芽仔井」(もやし井戸)と呼ばれました。

妙寿宮

妙寿宮(妙壽宮)は市定古跡に指定されており、主神に保生大帝を祀ります。言い伝えによれば妙寿宮は明の鄭氏時代に、神像を乗せた王船を拾った住民が、草葺き屋根の小屋を建てて祀ったと言われています。その後、ある兄弟の寄付によって、現在の場所に移されました。兄の名は「妙」、弟の名は「寿」だったので、妙寿宮と名付けられました。 廟の前には、風化した一対の獅子の石像があります。年配者の話では、何年も科挙試験を受け続けていた貧しい人が、何度も廟に参拝に訪れ、進士に合格した後、寄贈したものだと言われています。 通常、廟の前には、龍を象った柱がありますが、妙寿宮では、コウモリを象った石柱が使われています。石柱は、もとは海山館のものでしたが、日本統治時代に海山館が徴用され民家になったため、妙寿宮に移されました。建物2階には、1867年に造られた歴史ある王船が置かれています。王船の将兵に供えるのは、一般的な線香ではなく、タバコやビンローで、非常に変ユニークです。

旧英商德記洋行

安平樹屋のそばにある白い洋風の建物が英商德記洋行です。イギリスの貿易商、德記洋行が安平の開港後、台南安平港に設立した拠点で、当時の五大貿易商に数えられていました。まだ港の通行が可能だった頃、德記洋行は主に砂糖、樟脳、茶葉を輸出し、アヘンを輸入していました。繁栄期の重要な商業拠点でした。現在、德記洋行はすでに商業機能を失い、台湾開拓史料蝋人形館(台灣開拓史料蠟像館)になっていて、蝋人形で台湾の昔の生活を紹介しています。台湾開拓史料蝋人形館では、2001年に「時空走廊」(タイムトンネル)をコンセプトにした展示空間が設置され、德記洋行の歴史、成長の軌跡を詳しく紹介する展示が行われています。

安平天后宮(開台天后宮)

安平古堡のそばにある安平開台天后宮は、安平区最大の廟建築で、広大な敷地を有しています。天后宮の媽祖像は「軟身神像」と呼ばれる手足が動かせる珍しい神像で、1668年に鄭成功の船隊が湄洲から持ち込み、廟を建てて祀ったと伝えられています。それが開台の名の由来でもあります。台湾の媽祖信仰の中心の一つで、4年に一度開催される安平迓媽祖の祭事は、天后宮最大の行事です。

林默娘公園

安平漁港に来ると、港の脇に堂々とそびえる林默娘の彫像が目に入るでしょう。台南版自由の女神さながらに毎日この地を行き来する船を見守っています。広々とした公園はこどもを連れて散歩をするのにぴったりで、周辺の芝生では、シャボン玉アーティストと遊んだり、凧揚げをしたりするこどもの姿がよく見られます。愛犬を遊ばせている人も多く、芝生の上を犬たちが嬉しそうに駆け回っています。
夜になると、月光が媽祖を優しく照らします。まるで優しい母のように、慈愛に満ちた瞳で、公園で運動する人々や夜風に吹かれながら夜景を楽しむ人々を見つめており、古都が温かい雰囲気に包まれます。

安平老街(延平老街)

台湾で最初に誕生した道といわれる安平老街は、300年以上前にオランダ人が安平に造った一本目の街道です。昔の街道は、人と手押し車が通れる程度のもので、道幅は広くはありませんでした。安平を訪れる旅行者の多くは必然的にこの古い街道を通ることになります。人であふれるにぎやかな様子が安平老街の常態。こうでなければ、安平老街らしくありません。道沿いにはさまざまな老舗が立ち並び、国内外からの旅行者が掘り出し物探しを楽しんでします。時々、顔を上げて建物を見てみると、屋根の上に風獅爺(シーサー)が置かれていたり、門楣に剣獅が飾られていたりして、安平老街散策がより楽しくなります。また、老街には安平各地につながる小道も数多くあります。小道の先にはそれぞれ異なる風景が待っています。茉莉巷(ジャスミン通り)、胭脂巷(頬紅通り)など、区域内には古い集落がいくつも残っています。静かな路地を歩いていると、まるで時間が遡ったようで、入り組んだ路地を探検しているような気分になります。安平老街に来たなら、路地に入ってみないともったいないですよ。

観夕平台

安平港国家歴史風景区にある観夕平台(觀夕平台)は、近年話題の景観スポットです。三角形の景観台や、両側に広がる防風林の緑あふれる景観が楽しめます。眼の前には青い海が広がり、午後にはよく家族連れが浜辺で凧揚げをしたり、数人でズボンの裾を捲って海に入ったりしています。夕暮れ時に刻一刻と変化する空に、多くの人が足を止めて見入っています。 観夕平台は通路の光源を控えめにしたデザインになっており、日中、海の景色が楽しめるだけでなく、夜には光害の少ない環境で空に輝く星々を観察することができます。流星群が見られる時期には多くの人が訪れる、人気の星空観賞スポットの一つです。

安平樹屋

德記洋行の後方に位置する樹屋は、もとは德記洋行の倉庫でした。19世紀末から日本統治時代初期にかけて建てられたもので、かつては「大日本塩業株式会社」出張所倉庫でもありました。現在の姿は日本人によって増築されたものです。 100年あまりの歳月を経て、倉庫の壁にはガジュマルの根が絡みついています。高くそびえる樹はまるで倉庫の屋根のようで、安平樹屋に珍しい外観と神秘的な雰囲気を作り出し、廃墟と大木が共生する不思議な光景を形成しています。大樹が絡みつくアンコールワットの「タ・プローム」さながらの景観です。 幹と幹の間に桟道が整備されており、樹冠まで登ることができます。樹冠ではリスや鳥が戯れ、豊かな生態系を感じさせます。歩き疲れたら園内の樹屋咖啡で一休みするのがおすすめです。アイスクリームを食べて涼んだら、また安平の美を探しに出発しましょう。

安平鄉土文化館

安平鄉土文化館は安平区役所が管理しています。館内は主に「文物展示区」と「校史展示区」に分かれていて、安平の教育文化をテーマに安平教育大事紀、安平教育文物、西門小学校史などの展示が行われています。定期的に展示テーマは更新されています。ガイドサービスや団体予約も受け付けており、郷土文化教育のためのスペースも提供しています。休日には、学校の芸術文化課程と地域の特色を合わせた芸術文化公演や文化推進活動が定期的に開催されています。安平の教育文化を知るには最適の場所です。

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