地方展館

"台南左鎮化石園区はかつての菜寮化石館、自然史教育館、光栄小学校を統合した全国で唯一の「館校合一(博物館と学校が融合した)」化石博物館です。科学考古学、教育振興、観光レジャー機能を組み合わせ、「化石のふるさと」が持つ他にはない自然と文化のつながりを体現した左鎮の重要な化石研究拠点となっています。

左鎮化石園区にはマンモス、ステゴドン、古代鹿、ワニ、貝類などの海洋・陸生生物の化石が収蔵されています。陸生脊椎動物の化石が大量に発掘されたことが大きな特色となっており、左鎮人の頭蓋骨片、中国サイ早坂氏亜種の復元骨格などのコレクションを有する台湾随一の化石の宝庫と言えます。左鎮化石園区は1つのテーマ館から始まり、現在では5つのテーマ館へと大きく発展を遂げました。

新化武德殿は1925〜1928年の間に建てられ、日本統治時代には剣道や柔道の練習場として使われました。改修後は、新化老街、新化街役場、楊逵文学館(楊逵文學館)、そして新たにリニューアルされた大目降文化園区(大目降文化園區)と合わせて、有意義な文化エリアを形成しています。

武德殿の床は、ばねを使った特殊な建築様式で、台湾ではここでしか見られないため、世界各国の建築家が参観に訪れています。広々とした室内では、さまざまな展覧会が開催されています。また、武德の精神も失われておらず、剣道教室がここで開かれています。武德殿前の大広場と合わせ、にぎやかで歴史的価値のある新化の人気スポットです。

シラヤ(西拉雅)は文字による台湾の記録の中で、もっとも早くから登場する台南の定住民族です。その名前は、オランダ統治時代の文献にすでに登場しています。この地で発展した民族で、大台南地区の歴史、文化の形成と発展に深く関わってきました。台南市は文化の促進やエスニック交流の場として2014年に文化会館を設立しました。

大地化石鉱石博物館は1993年に設立された小型の私設博物館です。館内は化石と鉱石の二大テーマで展示されています。台湾で発掘された化石や鉱石のほか、世界各地で出土した珍しい化石や鉱石標本も分類して展示されており、分かりやすい解説があります。展示スペースは広々として明るく、落ち着いた雰囲気で、駐車場も完備されています。
創立者は化石や鉱石に関する知識や、古生物学と鉱石学の研究を広めようと、採集、整理の経験や研究を通して得た知識を博物館に展示し、各界や学術機関向けに公開しています。付近の学校がよく校外学習に利用しているほか、海外からわざわざ足を運ぶ専門家も少なくありません。

国立台湾歴史博物館(國立臺灣歷史博物館)は、台湾の歴史に深く関わりがある「台江內海」にあります。17世紀以前から、台江內海には東洋、西洋の人々が次々とやってきて貿易を行っていました。時代が変わり、堆積物で水路が塞がれてできた陸地に歴史博物館は建てられています。目まぐるしく変化する時代と、豊かな歴史を感じさせてくれます。 歴史博物館の見どころは館内だけではありません。屋外にはパブリックアートがいくつも設置されていて、ゆっくりと鑑賞する価値があります。船を漕ぐオール型の動力装置は、先人が風に乗って航海した船を象徴しています。ドラマに出てきそうな「希望之丘」は、その上に立てば安南区の最高峰に登ったことになります。キラキラと輝く「感恩樹」(感謝の木)はステンレス製で、人気のSNSチェックポイントになっています。 館内には、歴史や文化、自然などに関する様々なコレクションと、史実に基づいた、或いは想像を形にした展示があり、台湾の歴史を探索することができます。
 
 

安平古堡、安平天后宮を過ぎ、一番西側に位置するのが天主教台南教区聖楽倫天主堂です。安平天主教文物館は天主堂の1階にあり、不定期に変更されるテーマで約千点の宗教文物が展示されています。 展示文物は主にカトリックの文化や聖器物で、典礼用品、天主聖具、文献、経典などです。聖爵、十字架、祭服、聖体顕示台、聖遺物、聖礼盒など、百余年来宣教師らが残してきた数々の物品を通して、キリスト教文明とカトリック教会の布教の歴史を知ることができます。また、地元の信者による宗教芸術品は、安平の人々とカトリックとの出会いと融合を象徴しています。

安平鄉土文化館は安平区役所が管理しています。館内は主に「文物展示区」と「校史展示区」に分かれていて、安平の教育文化をテーマに安平教育大事紀、安平教育文物、西門小学校史などの展示が行われています。定期的に展示テーマは更新されています。ガイドサービスや団体予約も受け付けており、郷土文化教育のためのスペースも提供しています。休日には、学校の芸術文化課程と地域の特色を合わせた芸術文化公演や文化推進活動が定期的に開催されています。安平の教育文化を知るには最適の場所です。

盧経堂厝(盧經堂厝)は清の時代の安平の富商、盧經堂の邸宅で、市定古跡です。非常に良く修繕されており、さまざまな昔の衣装を借りての記念撮影は観光客に人気です。衣装を纏い、古色蒼然とした古い建物の中で撮影すると、まるで昔の時代にタイムスリップしたかのような気分が楽しめます。 また、1歳の時に行う伝統的な選び取りの風習のイベントも行われます。かつては、近づき難かった大富豪の家は、今では観光客や市民が訪れる安平の名所になっています。

1926年に完成した安平税関は、昔、商船が安平に出入りし、停泊して関税を支払った場所です。現在安平に入ると、運河のそばの大木の下にあるこの美しい赤レンガの日本式建築が印象的に感じられるでしょう。2003年に正式に市の指定古跡に加えられました。周辺には河の景観に合わせたオブジェが設置され、現代アートと歴史建築が融合する景観を作り出していて、多くの若者が訪れ、インスタグラムに写真を載せています。また、アート展示がよく行われているほか、建物内には安平運河の古い写真やビデオが多く展示されています。当時使用されていた設備なども残されており、小さな歴史美術館のようです。

蚵灰窯は昔、安平地区の重要な建材製造の施設でした。現在、台湾に現存する唯一の牡蠣殻灰の窯です。17世紀から牡蠣殻灰は海で生計を立てる安平の人々になくてはならない造船材料の一つでした。その後、砂糖水や、もち米を煮た上澄み汁を加えて、れんがをつなぎ合わせるのに使用されました。蚵灰窯に入ると、アイギョクシの蔓に覆われた赤れんがの壁が見えます。直径約4メートル、高さ約2メートルの非常に大きな窯で、壁は一番薄い部分でも約1メートルの厚みがあります。一見の価値がある焼窯建築です。
文化館では牡蠣の成長過程や生態、牡蠣殻灰の作り方、使い方が紹介されており、当時の技術を詳しく知ることができます。