地方展館

国立台湾歴史博物館

国立台湾歴史博物館(國立臺灣歷史博物館)は、台湾の歴史に深く関わりがある「台江內海」にあります。17世紀以前から、台江內海には東洋、西洋の人々が次々とやってきて貿易を行っていました。時代が変わり、堆積物で水路が塞がれてできた陸地に歴史博物館は建てられています。目まぐるしく変化する時代と、豊かな歴史を感じさせてくれます。 歴史博物館の見どころは館内だけではありません。屋外にはパブリックアートがいくつも設置されていて、ゆっくりと鑑賞する価値があります。船を漕ぐオール型の動力装置は、先人が風に乗って航海した船を象徴しています。ドラマに出てきそうな「希望之丘」は、その上に立てば安南区の最高峰に登ったことになります。キラキラと輝く「感恩樹」(感謝の木)はステンレス製で、人気のSNSチェックポイントになっています。 館内には、歴史や文化、自然などに関する様々なコレクションと、史実に基づいた、或いは想像を形にした展示があり、台湾の歴史を探索することができます。
 
 

安平天主教文物館

安平古堡、安平天后宮を過ぎ、一番西側に位置するのが天主教台南教区聖楽倫天主堂です。安平天主教文物館は天主堂の1階にあり、不定期に変更されるテーマで約千点の宗教文物が展示されています。 展示文物は主にカトリックの文化や聖器物で、典礼用品、天主聖具、文献、経典などです。聖爵、十字架、祭服、聖体顕示台、聖遺物、聖礼盒など、百余年来宣教師らが残してきた数々の物品を通して、キリスト教文明とカトリック教会の布教の歴史を知ることができます。また、地元の信者による宗教芸術品は、安平の人々とカトリックとの出会いと融合を象徴しています。

安平鄉土文化館

安平鄉土文化館は安平区役所が管理しています。館内は主に「文物展示区」と「校史展示区」に分かれていて、安平の教育文化をテーマに安平教育大事紀、安平教育文物、西門小学校史などの展示が行われています。定期的に展示テーマは更新されています。ガイドサービスや団体予約も受け付けており、郷土文化教育のためのスペースも提供しています。休日には、学校の芸術文化課程と地域の特色を合わせた芸術文化公演や文化推進活動が定期的に開催されています。安平の教育文化を知るには最適の場所です。

安平盧経堂厝

盧経堂厝(盧經堂厝)は清の時代の安平の富商、盧經堂の邸宅で、市定古跡です。非常に良く修繕されており、さまざまな昔の衣装を借りての記念撮影は観光客に人気です。衣装を纏い、古色蒼然とした古い建物の中で撮影すると、まるで昔の時代にタイムスリップしたかのような気分が楽しめます。 また、1歳の時に行う伝統的な選び取りの風習のイベントも行われます。かつては、近づき難かった大富豪の家は、今では観光客や市民が訪れる安平の名所になっています。

運河博物館(旧台南運河安平税関)

1926年に完成した安平税関は、昔、商船が安平に出入りし、停泊して関税を支払った場所です。現在安平に入ると、運河のそばの大木の下にあるこの美しい赤レンガの日本式建築が印象的に感じられるでしょう。2003年に正式に市の指定古跡に加えられました。周辺には河の景観に合わせたオブジェが設置され、現代アートと歴史建築が融合する景観を作り出していて、多くの若者が訪れ、インスタグラムに写真を載せています。また、アート展示がよく行われているほか、建物内には安平運河の古い写真やビデオが多く展示されています。当時使用されていた設備なども残されており、小さな歴史美術館のようです。

安平蚵灰窯文化館

蚵灰窯は昔、安平地区の重要な建材製造の施設でした。現在、台湾に現存する唯一の牡蠣殻灰の窯です。17世紀から牡蠣殻灰は海で生計を立てる安平の人々になくてはならない造船材料の一つでした。その後、砂糖水や、もち米を煮た上澄み汁を加えて、れんがをつなぎ合わせるのに使用されました。蚵灰窯に入ると、アイギョクシの蔓に覆われた赤れんがの壁が見えます。直径約4メートル、高さ約2メートルの非常に大きな窯で、壁は一番薄い部分でも約1メートルの厚みがあります。一見の価値がある焼窯建築です。
文化館では牡蠣の成長過程や生態、牡蠣殻灰の作り方、使い方が紹介されており、当時の技術を詳しく知ることができます。

黑橋牌ソーセージ博物館

黑橋牌は、府前路の近くにある「烏橋仔」と呼ばれる黒い橋のそばで創業したソーセージ(台湾腸詰)メーカーです。黒い橋は企業名の所以にもなっています。観光工場の外観はブランド品店のようで、入り口にある大きな器は、かつて廟の前で屋台を出していた頃の情景を再現したもの。建物に入った瞬間から楽しめます。

ソーセージ博物館の参観は、3階から順番に下りて来るのがおすすめです。館内にはレトロな情景がいくつも造られています。昔、廟の前の広場でよく行われていた布袋戲(人形劇)の舞台や、数十年前の台南の街のイメージ、そして黑橋牌ソーセージの沿革の紹介ビデオなどがあり、レトロな雰囲気を高めています。まるでミニチュア版台南歴史博物館のようですよ。

2階にあるソーセージのショーウインドウは、思わずよだれが出てしまうほど、本物そっくりに作られています。1階は主に販売&休憩コーナーになっており、黑橋牌の各種食品やクリエイターズグッズなどの商品が並んでいます。

国立成功大学博物館

1933年に落成した建物で、前身は総督府台南高等工業学校の行政中心(事務棟)でした。現在は国立成功大学成功キャンパス内の成功大学博物館として使用されています。台湾初の大学による博物館でもあり、大学路の大きな目印になっています。 博物館には現在2600点あまりの所蔵品があり、陶器、石器、木器、彫刻、織物など内容は多岐にわたります。毎年異なるテーマで展示を入れ替えていて、キャンパス周辺に芸術の息吹を吹き込んでいます。

太平境馬雅各紀念教会

公園路にある湯德章紀念公園のそばに白く美しい教会が建っています。イギリス長老教会の宣教師マクスウェル医師が1865年に設立したもので、異国情緒が色濃く漂う教会が台南の市街地にそびえ立っています。数百年の間、教会は地域と深く結びついてきました。現在はマクスウェル医師を記念して太平境馬雅各紀念教会になっています。
毎週末に行われる礼拝では、教会に荘厳なパイプオルガンの音色が響き渡ります。今でも多くの人が礼拝に訪れ、教会は温かく神聖な雰囲気に包まれます。教会の後方には、歴史資料館があり、台南府城の歴史に深く関ってきた教会の古文物や古い写真などが数多く保存されています。

旧台南州庁-台湾文学館

台湾文学館は台南市のもっとも有名なランドマークと言えるでしょう。日本人建築家の森山松之助が設計したもので、1916年に落成しました。当時は日本統治時代の台南州庁で、台南最高の行政機関でした。第二次世界大戦時に連合軍の爆撃を受け破損しましたが、もとの姿に修復されています。戦後も長い間、台南市庁舎として使用されました。現在は文芸の雰囲気が色濃くただよう台湾文学館になっています。マンサード様式の屋根や、和洋を融合させた入り口の円柱が美しい文学館は、毎年クリスマス期間には、建物の前に巨大なクリスマスツリーが飾られ、街にロマンチックな雰囲気と温もりを添えます。所蔵されている台湾文学書は数多く、国内外から多くの旅行者が参観に訪れています。台南の見逃せないスポットです。