歷史古蹟

B.B.ART

1932年、日本人の林方一が創業したハヤシ百貨(林百貨)は、台南市末廣町二丁目にオープンしました。台南で初めてエレベーターを導入したビルでした。昔を知る台南の人々からは「五棧樓仔」(5階建てのビル)と呼ばれています。何事も最初のものは記憶に残りやすく、そのほかは忘れられてしまうもの。台南市に二番目にオープンしたデパートが民権路にあった美麗安洋品店です。初代美麗安は現在のB.B.Artのはす向かいにありました。二代目は現在のB.B.Artの位置に、そして、三代目は中正路に移転しました。 見上げれば、古い建物の上に「美」の文字が見え、美麗安洋品店の痕跡が見られます。現在1階と3階は展示場になっており、各種美術展覧会が催されています。2階には喫茶店があり、古い建物特有の造りが魅力的です。縦に長い昔の建物は天井が広く、昔の大邸宅のような迫力があります。ここでコーヒーを飲み、アートに触れれば、のんびりとした休日が過ごせるでしょう。

旧林百貨

2013年6月30日は台南の古い建築物の中でも特に有名な林百貨がリニューアルオープンした日です。この日は午前7時過ぎから午後まで、混雑が続きました。日本統治時代の1932年に創業した林百貨は、地元では5階建てという意味の台湾語で「五棧樓仔」と呼ばれ、かつては非常に賑わいました。しかし、日本の統治が終わり、経営者が日本へ帰ると、林百貨はさびれ、人々の記憶から徐々に当初の風格が忘れ去られてしまいました。 しかし2014年、林百貨は、再びデパートとして府城によみがえりました。店内には台南林百貨限定の商品が数多く並んでいます。 また、いくつかの必見ポイントがあります。 流籠(エレベーター):当時のまま残されているエレベーターの階数表示はレトロな針式で、現在はおそらく林百貨でしか見られません。 屋上の鳥居・神社:百貨店の屋上に神社があるのもここだけ。ぜひ立ち寄ってみてください。 アメリカ軍の爆撃跡:爆撃を受けた跡がいまでもはっきりと壁に残されています。まるであの時代にタイムスリップしたかのような気持ちになるでしょう。

大井頭

大井頭は多くの車が行き交う多い民権路にあります。井戸が鉄の蓋で塞がれていて、道の脇には古跡を紹介する石碑が建てられています。
大井頭の歴史と重要性を知るには、15世紀まで遡る必要があります。井戸の起源は明らかになっていませんが、15世紀に台湾へ渡った船は台江內海に入り、この付近で上陸しました。当時、ここは陸地で港に一番近い淡水井で、水が豊かで甘みがあり、往来する船乗りが水を取っていただけでなく、その後ここに定住した人々もこの井戸水を使うようになりました。台湾開発史において、最初の水源地と言えるでしょう。通り掛かった際はぜひ立ち止まり、歴史に思いを馳せてみてください。

旧台南神社事務所及び外苑

旧台南神社事務所、外苑、武徳殿はすべて1936年頃に建てられました。材質とデザインは武徳殿によく似ており、当時の社務所か、神社の休憩所だったのでは、と考えられています。用途は何であれ、非常に美しい日本統治時代の建築物です。
台南神社はもうなくなってしまいましたが、神社の外苑は残されており、歴史の痕跡を垣間見ることができます。神社外苑の神橋は必見。日本統治時代の台南の信仰文化に触れられる重要な建築物です。

旧台南測候所(中央気象局台湾南区気象センター)

旧台南測候所(原台南測候所)は、台南の人々にとって、重要な位置を占めています。測候所があるのは、当時の台南市の中心で最高地点だった標高14メートルの鷲嶺です。建物の外観から、昔は「胡椒缶」の名で親しまれました。18等分の放射状に広がる特殊な屋根があるため「18角楼」とも呼ばれます。旧台南測候所は気象局南区気象センターの前方に位置しており、二棟の現代的なビルの中で非常に目立っています。よく見ると、建物は三つの同心円が重なってできていることに気付くでしょう。一番内側にあるのは白い円塔で、中には各種気象観測設備が置かれています。中間の円は、通路になっていて、外側の円は事務室です。ユニークな外観で、思わずじっくり見てしまうに違いありません。 気象博物館では、毎年3〜4月になるとモモイロノウゼン(紅花風鈴木)の花が見頃を迎え、多くの花見客が訪れます。ピンク色の花と気象博物館が、向かい側にある太平境教会と映え合い、多くの人が足を止めて見入っています。また、夜桜のような艶かしさがただよう夜のモモイロノウゼンも見逃せません。

五妃廟

歴史文献によれば、清の時代、施琅が台湾に攻め入ると、寧靖王、朱術桂は殉死を決意し、5人の妃らも彼と生死を共にすることを決めました。妃らは明寧靖王府の梁で相次いで自決し、朱術桂は自ら5人の妃を埋葬すると、自分も後を追うように命を絶ちました。
五妃廟の建立は1683年。外観は中庭をコの字に囲む三合院様式の古い建物です。一方には「義靈君墓」と呼ばれる小さな祠があり、当時従死した二人の侍從が祀られています。現在の五妃廟は、府城の歴史の旅に欠かせないスポットになっています。境内は静かで緑が深く、付近には商店が軒を連ねており、B級グルメの店も少なくありません。正面には熱気あふれる台南野球場(台南棒球場)もあり、多くの人が訪れる休日のレジャースポットになっています。

赤嵌楼

赤嵌楼(赤嵌樓)は台南中西区の代表的な古跡で、安平区の安平古堡と並んで台南の二大古跡になっています。1652年、オランダ人がこの地にプロヴィンディア城(普羅民遮城)を建て、台南の行政、商業の中心を築いてから、300年余りの歴史の中で何度も修繕、改築が行われました。内部には海神廟、文昌閣、蓬壺書院があります。周りの芝生には国姓爺、鄭成功の彫像が建てられており、国内外からの旅行者がじっくりと眺めては、当時の英姿に想いを馳せています。そのほか、大南門から移された9つの石碑も注目を集めています。石碑の台になっている亀のようなモチーフは、贔屭(ひき)と呼ばれる中国の伝説の生き物。龍が生んだ9頭の神獣の一つで、重きを追うことを好むといわれます。赤嵌楼にも贔屭にまつわるさまざまな伝説があり、今も語り継がれています。 夜になると、赤嵌楼周辺には黄色いライトが灯り、古い建築物をより一層味わい深く演出します。前方の広場ではよく音楽会が催され、台南市民の夜の憩いの場になっています。赤嵌楼は、昼も夜も独特の魅力で楽しませてくれます。

吳園(旧台南公会堂)

吳園は府城古跡の中でも非常に面白い場所です。民権路から見えるのはバロック様式を模した旧台南公会堂(台南公會堂)です。そばには日本式の木造建築、十八卯茶屋があります。その後方には中国風の古典的な庭園があり、庭園はさらに後方の高層ビルに囲まれています。さまざまな年代の建築物が集まっていて、まるでここで時空が交錯しているかのようです。平日の午後には、吳園の前の芝生の階段は、日向ぼっこやピクニックを楽しむ人でいっぱいになります。また、中国風の庭園の小橋から池の鯉に餌をやる人もいて、にぎやかな街の中にありながら静かでゆったりとした時間が流れています。十八卯茶屋もお客でにぎわい、公会堂ではさまざまなジャンルのアート展が催されています。ここは、建築物の宝庫であるだけでなく、芸術生活の聖堂でもあるのです。

旧台南合同庁舎(消防史料館)

湯德章紀念公園のロータリーを過ぎると、高い塔がそびえる建物に目がいくことでしょう。これは日本統治時代に建てられた合同庁舎です。塔は1930年の落成時には「火見楼」と呼ばれ、当時の台南市では最も高い建築物でした。当時はほとんどが木造家屋だった市内において、いつでも市内の火災発生を監視することができるという非常に重要な役割がありました。消防隊の建物の中には、現在台湾最古の滑り棒が残されています。消防士たちは両手と両足でこの滑り棒を挟み3階から1階までをわずか3秒で滑り降ります。消防署の重要な器具です。
庁舎右側はかつて派出所、警察局女警隊、警察局少年隊が使用していました。市政府消防局は改修計画により消防史料館となり、消防隊の沿革、消防関係の資料や写真、救護活動の様子、消防ヒーローなどが展示されているほか、大地震やVRによる地震救助活動が体験できます。

台南愛国婦人館

日本愛国婦人会は、第二次世界大戦時の日本の主要な婦人団体で、社会的地位や学歴の高い婦人によって組織されていました。その主旨は、地方建設に関心を寄せ、社会に貢献することです。ここは南支部で、会館は1920年に典型的な和洋折衷建築として建てられました。第二次世界大戦後は赤十字の管理下に置かれ、国民党台南市支部として使われたこともあり、その後は台南市中区図書館になりました。2012年にリフォームされ、台南創意センター(台南創意中心)の事務所となり、現在に至ります。館内は木造で、2階には畳の部屋があり、日本スタイルがしっかりと残されています。また、芸術展示などもよく催されています。