自然景觀

「漁火点点、半月沈江」と表現される、世間から取り残された三日月湾
漁光島の旧称は三鯤鯓で、人の往来の多い安平区とたった1本の漁光大橋で結ばれています。この辺りでは昔、漁船が魚をおびき寄せるために、夜間に明かりを灯して漁を行っていました。島から遠くを望むと、真っ暗な海上一面に煌々と灯る漁船の明かりが見えたことから、「漁光島」と名付けられました。漁光島を表現する「漁火点点、半月沈江」(漁火が灯る台江内海の半月湾)という美しい言葉も伝えられています。ビーチをのんびり散策するもよし、裸足で波と戯れるもよしの場所で、吹き寄せる潮風と、足元に打ち寄せる冷たい海水を肌で感じてみてください。

芝生の上にそびえ立つのは、オランダから持ち込んだ赤い大きな風車です。前方には、大きなオランダ製の木靴も置かれています。これらはオランダ村の一番のトレードマークです。オランダ村に入ると、白い柵が芝生の中に続いていて、遠くにキラキラとした池が見えます。まさに、オランダを思わせる風景です。園内にはゴッホの吊り橋(梵谷吊橋)もあり、ゴッホの絵のような趣が感じられます。

近年、キャンプの人気が高まっており、美しい景観が楽しめるオランダ村のキャンプ場は、いつもキャンプ客でいっぱいです。キャンプ場がある林にテントの灯りが点々と灯り、バーベキューの香りが漂っています。

毎年開催される親水イベントもオランダ村の見どころの一つです。コーチの指導のもと、ウォーミングアップをし、船を漕ぐ姿勢に慣れたら、カヌーに乗って水の中へ漕ぎ出しましょう。

川の水が渦を巻く「天井漩渦」と呼ばれる特殊な景観は、烏山頭ダム(烏山頭水庫)上流の烏山嶺トンネル西側の放水口にあります。西口渓谷は静かな景観地で、昔から「小スイス」(小瑞士)と称されています。

渦巻きは、実は八田與一によって作り出されたものです。日本統治時代、嘉南大圳の建設時に、烏山頭ダムの水源不足に備え、烏山嶺山腹に約4キロにわたる導水用水路が造られました。東口の曾文渓の水を西口に引き込みダムに注水する水路です。落差が大きいため、渓水が円形の穴に高速回転して落ち、有名な「天井漩渦」の景観を作り出しています。将来的には穴を5メートル高くする予定で、「天井漩渦」は見られなくなります。

関子嶺といえば熱い泥温泉が有名ですが、関子嶺に祀られている火王爺も地元の主な信仰として知られています。温泉の関係で、多くの名所は火に関連しています。中でも長い歴史を経ても色あせない有名なスポットが水火同源で、水火洞とも呼ばれます。火が水中から燃え上がる奇景は300年以上、多くの人々を魅了し続けています。
この奇景は1701年に白河大仙寺の参徹禅師が見つけ、当時は火の勢いが旺盛で火柱ができていたそうです。1964年に発生した白河大地震の後、火力は弱まりましたが、依然火が消えることはありません。
地方の伝説は非常に興味深いものです。関子嶺がある枕頭山はまたの名を麒麟山といい、水火同源は麒麟が吐き出した炎だという、想像力あふれる神話や伝説が水火同源をより神秘的にしています。現在は商店街から水火同源へ歩いていくと、彫刻家、楊英風による台南精神を象徴する大型彫刻作品が刻まれた壁を見ることができ、アートの息吹が感じられます。

関子嶺温泉区の上方に位置する嶺頂公園は、以前は1932年に日本人が建設したゴルフ場でした。何度かの変遷を経て、観光客に人気の公園になりました。嶺頂公園は、上品な美しさと静かな雰囲気がただよい、公園の木々や芝生はきれいに整えられています。深い緑と濃厚なモクセイの香りがただようモクセイ小道もあります。「關子嶺之戀」の楽譜のオブジェも、旅行者に大人気の撮影スポットです。関子嶺で温泉に浸かった後、夕風に吹かれて散歩をするなら、嶺頂公園がぴったりですよ。

関子嶺風景区は、白河区の東側に位置する台南の有名な観光スポットです。周囲を枕頭山、虎頭山、大凍山、鶏籠山などの山々に囲まれ、のんびりとした静かな風景が広がっています。風景区周辺の沿線には水火同源、火山碧雲寺、東山珈琲、温泉老街、閑雲橋、火王爺廟、嶺頂公園、宝泉橋、新旧好漢坂遊歩道などの休憩、観賞スポットがあり、いずれも関子嶺で必ず訪れるべき観光スポットです。

関子嶺温泉公園

関子嶺温泉は日本統治時代から有名になった、陽明山、北投、四重渓と並ぶ台湾四大温泉の名湯です。泉質は弱アルカリ性炭酸泉に属し、温度は約摂氏75度、温泉の色は灰黒色で、泉質に塩類と硫黄、さらに泥を多く含むため、入浴はできますが飲めません。温泉に浸かると全身リラックスし、肌がやわらかくなめらかになります。史誌の記録によると、関子嶺温泉は美顔美容、健康増進といった効果がある天然の泥温泉で、「天下一の霊泉」と称されています。

宝泉橋は関子嶺温泉の水源を訪れるために必ず通る吊り橋で、一周わずか10分程度の道のりです。泥温泉の水源には危険防止の柵が設置されており、中に入ることはできません。

日本統治時代、兵士らは療養のためによく関子嶺温泉を訪れ、体力と気力を回復すると、勾配の急な山の階段を上り下りして体を鍛えたと言われています。旧関嶺小学校(關嶺國小)の下方にある好漢坡はそのために作られたもので、階段は300段あまり。傾斜がきついため、当時は登りきれたら「好漢」と言われていたので、この名前がつけられました。後に、道路を広げたため、階段は少ししか残されていません。そのため、市政府は温泉公園に新たに新好漢坡を作りました。段数はかつての好漢坡に引けを取らず、同じく登りがいのある階段になっています。さらに、安全性や眺望、森林景観なども考慮されており、今では関子嶺の必見スポットになっています。好漢坡を登った後は、熱い泥温泉に浸かれば、あっという間に疲れが取れますよ。良い運動になり、健康的な旅が楽しめます。

台南の気候は温暖で、一年を通して春のような暖かさです。そのため、寒い季節に山を覆う紅葉を見るのは難しいですが、唯一、関子嶺の紅葉公園では見ることができます。標高が高い関係で、気温が十分低くなることで、紅葉樹は徐々に色付きます。12月下旬頃になると、山全体が赤や黄色に彩られたロマンチックな景観に包まれ、冬の関子嶺観光の必見スポットになっています。温泉に浸かった後、紅葉林をそぞろ歩けば、しっとりした風情が満喫できます。また近年は、公園に蜜源植物を植えるなど、チョウの生態環境の整備に力が入れられており、ルリマダラなど数多くのチョウが生息しています。冬にはカエデ、春夏にはチョウが目を楽しませてくれます。

湖畔に南海観世音菩薩を祀った普陀禅寺があることから、この湖は「小南海」と名付けられました。小南海にかかる吊り橋は寺と生態公園をつなぎ、全長約5キロメートルのハイキング及びサイクリングが楽しめる湖周回コースを形成しています。両側に木々が生い茂るコースは、夏でも涼しく、森や水の自然循環で空気が浄化され、まさに南海の浄土のようです。また、ハスの開花期には、辺り一面にハスの花が咲き誇ります。ハスの名所で知られる白河の人気観賞スポットの一つです。さらに近年はレンタサイクル「T-BIKE」のステーションが設置され、予てから人気のあったサイクリングロードは一段と注目を集めています。小南海の外周にもサイクリングロードが整備されていて、白河のハス、林初埤のキワタ、烏樹林など、周辺スポットをつなぐサイクリングロードは、エコな自転車旅のブームを起こしています。運動もゆったりとした休暇も楽しめるレジャースポットです。

白河では初々しいハスの花だけでなく、緑あふれる水田やまっすぐに伸びる道路など、清々しい景観が楽しめます。中でも人気が高いのは、南90号線にある竹門緑のトンネル(竹門綠色隧道)です。道の両脇には、日本統治時代に植えられたマンゴーの並木が地平線を覆います。トンネルのような道を通ると、夏は涼しく、一面の緑に心が癒されます。白河でサイクリングを楽しむ旅行者の必見スポットになっています。